小野会長の小論文を更新しました!(8/11)

2013年08月14日 18:14

内閣府による試算はアベノミクスを潰すのが目的
 
8月8日に内閣府から発表された『中長期の経済財政に関する試算』
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/0808/agenda.html
は、内閣府がアベノミクスを潰そうと言う意図をむき出しにしたものだ。


安倍首相は中期財政計画で消費税増税を決め打ちしないと明言した。これに公然と反旗を翻した内閣府は、消費税増税はすでに法律で決まっているとし、彼らの試算では消費税増税を凍結するという可能性はあり得ないこととして除外した。安倍潰しの意図が見える。
昨年の試算では、一体改革として消費税増税と社会保障を同時に行った場合と行わない場合とを比較していた。消費税増税の影響はどうなっているかと聞かれたとき答えるための試算だった。これも欺瞞的で、消費税増税を行ってそれを打ち消すための景気対策を同時に行って景気への影響はないという馬鹿げた結果を出していた。ではその景気対策の中身は具体的に何かと聞いても一切公表しなかった。今回は、消費税は増税されるものとして計算され、増税する場合としない場合の比較は一切触れない。首相に「増税か見送りか」の選択肢を与えない試算になっている。首相は増税の悪影響について知りたがっているのだが、安倍潰しをたくらむ内閣府は絶対にそのような試算を公表しない。こんな内閣府を国民の税金で維持すべきではない。
 
公共投資で将来世代へのツケが増えると一般的には信じられているが、内閣府の試算(乗数表)を見ると逆にツケは減ることが示されていた。筆者は何度もこのことで追求を重ねていた。追い詰められた内閣府は2010年を最後に、一切乗数表を公表しなくなった。今回も出してない。
 
毎回そうなのだが、内閣府の経済予測は現実とは余りにもかけ離れたものになっている。例えば8年前には2012年度の名目GDPは645兆円になると言っていたが現実は474兆円だった。他の予測もほぼこれと同程度で、見当違いも甚だしい。デフレーターも例年の通り、超楽観的な数字が並んだ。要するに彼らは毎年「あと1~2年でデフレから脱却する」と言う。しかし現実は物価も給料も十数年間下がりっぱなしだ。内閣府はオオカミ少年という表現がぴったりだ。
 
内閣府に電話して追求すると内閣府計量分析室の一人は「ハッ、ハッ、ハッ」と上機嫌で笑い飛ばしていた。これは目標であって、予測ではないからいくら外れても構わないのだそうだ。これだけ自信をもって堂々とホラを吹ける環境を政治家もマスコミも作ってしまった。しかも、政治家もマスコミもすべてこの試算が信頼できるものだと信じているし、大変な影響力をもっているからたちが悪い。
 
しかもこの予測は消費税大増税を行ってもこれだけの高成長が可能だと言っているのだ。こんなホラを信じてはいけない。アベノミクスの超金融緩和で景気が良くなるのだと思い込むことはよいことだ。しかし、日銀から出て行ったお金は銀行に行き日銀当座預金として眠っているだけだ。これはタンス預金化しているので、実体経済には何の影響も与えない。消費税増税で不況が来れば、タンス預金を動かそうとする人などいない。消費税増税でアベノミクスは木っ端みじんに粉砕されてしまう。
 
内閣府の陰謀はこれに留まらない。内閣府は日銀の国庫納付金に関しても無視し隠している。これもこの試算の重大な欠陥だ。日本銀行法39条によれば、日銀は各事業年度の損益計算上の剰余金の額から準備金および配当金を控除した残額を、当該事業年度終了後2か月以内に国庫に納付することになっている。日銀が国債を大量に買い入れると、国が払う国債への利払いはかなりの部分が日銀へ行くことになる。このうち95%が国庫に戻るのだから、国債費のうちのそれに相当する部分が国庫に、つまり国民に戻ることになる。「国の借金が増えると利払いが大変」と思っているかもしれないが、この利払い費の一部又は全部が国庫に戻ることを知れば、安心できるだろう。もちろん金利がいくら高くなっても回収できるから財政破綻しない。
 
バーナンキFRB議長も2013年7月18日に量的緩和策は最終的に納税者に有益な政策になると述べている。実際FRBは2011年には5.9兆円、2012年には7.8兆円を剰余金として国庫に納め財政赤字削減に貢献している。内閣府はこのことも考慮して計算し直すべきだ。
 
さらに今回の試算で注目して欲しいことは、財政赤字や基礎的財政収支の赤字が巨額であっても、経済成長すれば国の借金のGDP比は減ってくることが示されたことだ。次の表は内閣府の計数表の一部をとり出して作成した。国・地方の借金のGDP比は2014年度をピークに減少に転じることがわかる。ここで注目して頂きたいのはこの間ずっと巨額の財政赤字は続いているということだ。日本人は99%までが財政赤字が続く限り将来へのツケ(借金のGDP比)は増え続けると思っている。内閣府の表はそうではないことを示している。
 
現在のように不況時に増税や歳出削減などの緊縮財政を行うと、それによる景気悪化は想像をはるかに超える。世界大恐慌、ルーズベルト恐慌、昭和恐慌、橋本デフレ等そのような例は数え切れない。国民から景気に対する不安が消えていないとき、緊縮財政を行うと不安が増幅され信じられないほどの大不況に陥る。是非、消費税増税で安倍デフレ突入という失敗を歴史に残すのでなく、デフレ脱却を実現した英雄として歴史に名を残してほしい。
 
更に詳しくは以下のサイトを参照して下さい。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/index.html

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