小野会長の小論文を更新しました!(8/21)

2013年08月21日 23:27

消費増税に対するマスコミの主張
 
安倍総理は4-6月期の経済指標を見て消費税増税に踏み切るかどうかを決めることになっている。先週、内閣府より4-6月期の経済指標の一次発表があった。結果は予想を大きく下回り年率2.6%というものだった。これをどう評価するか、新聞各紙やテレビの論評をまとめてみる。
 
一番強く増税反対を打ち出したのは東京新聞で、それに続いたのは産経、毎日、読売、朝日、日経の順だった。朝日は、一見中立的な態度を装いながら増税賛成に回り、日経はひたすら増税すべきだとの一点張りだった。
 
多くの新聞は設備投資が6四半期連続でマイナスとなっていて、まだ景気は本格的に回復したと言えないと指摘している。政府が投資減税でこれに対処すると言っているのに対し、東京新聞は需要が無いときに投資減税を行っても投資はできないと指摘している。消費増税で需要不足は更に悪化、公共投資などの景気対策をしても景気浮揚効果は少ないし財政は悪化する。また円安による電気・ガソリン・食品などの悪い物価高が進み消費者は悲鳴を上げているとしている。社説でもまだデフレから脱却していないのだから消費税増税の環境にないと明言した。消費増税を先送りすれが財政の不信から国債が暴落するとの指摘に対しては、消費増税でも税収は伸びず、財政が改善するわけではない。
 
8月5日の日経新聞には「消費税・97年のトラウマ」という論説が載った。97年の失敗があるから消費増税は思いとどまるべきだという論説かと思い読んだら逆だった。あのときとは違うから心配しないで増税に踏み切れというものだった。あのときは不良債権問題があったから失敗したが、今回はないと馬鹿な主張する。そもそも不良債権が不況の原因だと決めつけていたからこそ、デフレを長引かすことになった。実際不良債権処理が終わってもデフレ不況は続いている。つまり「不良債権があるからカネが流れなくなっているのだから、不良債権処理が進めば不況は終わる」と主張していた論者の間違いは証明できたわけで、そういった論者の主張は二度と信じてはならない。何が真実かと言えば、不良債権は不況の原因ではなく結果だったのだ。不良債権処理をすればするほど不況が進み新たな不良債権が発生した。不況の原因は需要不足であり、減税や財政拡大で国民にお金を渡せば不況は終わり不良債権問題も自然消滅した。今、大増税に踏み切れば間違いなく大不況に陥り、また不良債権問題が発生する。97年の悪夢が再来する。
 
警戒しなければならないのは、モラトリアム法だ。リーマンショックの後、借金返済猶予が無条件でできるようにしたもの。事実上倒産しているゾンビ会社が多数この法案によって生き延びている。隠れた不良債権だ。景気が悪化すれば不良債権問題が再燃する。また金融緩和は刷ったお金を金融機関に貸して、バブルを起こして国民にお金を渡そうとするものだから、それが成功し、バブルが発生し株や土地が高騰した後、消費増税で一気にバブルが崩壊すれば、不良債権問題が深刻化する。失われた20年の失敗をなぜ繰り返そうとするのだろうか。当時、金融緩和でバブルを起こすのでなく、大規模財政出動で景気を回復させていたら、バブルもバブル崩壊もなく、国の借金がこれほど増加することもなかった。
 
歴史は繰り返すという意味では、1923年に発生した関東大震災の後モラトリウム令が出され、それが原因でデフレが1925年に、金融恐慌が1927年に起きた。これとそっくりの歩みが東日本大震災の後に起ころうとしている。
 
日経と朝日を除き、新聞各紙は消費増税をするべきか、中止すべきかについて少なくともどちらの立場も取らず、メリット・ディメリットの両面を説明する努力をしている。しかし、8月17日の日テレの放映したウェークアップぷらすの内容は恐ろしく偏向したものだった。増税は既定路線だし、増税をしないと大変なことになるのだそうだ。番組が隠していた事実を暴露してみよう。
 
【番組の主張】実質2.6%成長なら大増税に耐えられる??
これは、景気対策と消費税増税前のかけこみ需要そして株高によってゲタをはかされた一時的な成長にすぎない。消費税増税によりゲタが取り払われ、逆に増税による消費が減少するため、1年後には悲惨な結果が待っている。エコノミスト41人の予測の平均でも来年4-6月期には5%も落ち込むと予想している。番組ではこれに関しては一切言及しなかった。そうなったときは景気対策をやるということくらい、せめてコメントすべきだった。そのときは増税は財政健全化には全く役立たずということが証明されるのだが。
 
【番組の主張】増税の前にやるべきことがあると言って先伸ばしてきたが、今こそ増税をやるべきだ。
増税の前にやるべきことは身を切る改革だろうか。公務員や政治家の給料を下げれば増税をやってよいのだろうか。しかし、給料を下げるということは消費を減らしデフレを悪化させる。増税の前に本当にやるべきなのはデフレ脱却だ。今はまだデフレから脱却できていない。消費者物価もエネルギーや食料品を除いたコアコアで考えるとまだ下がっている。GDPデフレーターもマイナスのままでデフレ脱却の見通しは全く立っていない。この状態でデフレを更に悪化させれば、日本経済は悲惨な結果になる。日本経済の没落を喜ぶのは中国や韓国だろう。あの連中に馬鹿にされ続けるのでよいのだろうか。

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