2014年03月08日 22:14
~景気は予想以上に悪い。最悪のタイミングで消費増税に襲われる日本経済。
2月17日に内閣府よりGDPの発表があった。結果は実質GDPで年率換算1%成長で、民間エコノミストの予想であった3%よりはるかに悪かった。これを海外の景気が予想以上に悪かったからとしている。またGDPデフレーターを見ても、前年同期比で-0.4%であり、デフレが続いていることが示された。
こんな時期に消費増税をして消費を減少させるのか、気が狂ったかと言いたい。経済に大打撃を与えるのは必至だ。2月18日の日経にはシンクタンク12社の実質成長率の見通しが載っている。平均は2013年度が2.3%、2014年度が0.8%だ。景気は急速に悪化するということだ。景気回復の実感が無く、賃金も上がらないときに、急激な景気悪化に耐えられるのか。失われた20年で、国民はデフレ不況にはうんざりしている。政権に対する不満が爆発するし、アベノミクスでもダメなのかと絶望のどん底に突き落とされるのではないか。
それでも、財政が健全化し、社会保障制度が守られるなら耐えてもよいと考える人もいるかもしれない。しかし、1997年の消費増税を思い出して欲しい。景気悪化は税収を減らし、財政を悪化させ、社会保障制度をより不安定なものにした。経済が縮小するが国の借金は増え続ける。景気悪化でよいことは何もない。その時、出てくるのは「海外の景気が予想以上に悪かった。消費増税の影響ではない。」という逃げ口上だ。今回も同様な言い訳を通すのか。
どうして消費増税を決めたのか。GDPの値を見て決定された。年率換算された実質成長率の値が増税実施の判断の重要な決定材料となった。
実質成長率 年率換算(%)
2012/ 1- 3. 3.7
4- 6. -1.7
7- 9. -3.1
10-12. -0.2
2013/ 1- 3. 4.8
4- 6. 3.9
7- 9. 1.1
10-12. 1
消費増税法で「経済の好転」の目安にしていたのは「名目3%、実質2%の成長」である。この表から2013年の1―3月期と4―6月期だけは確かに超えており、これが判断材料になったのだという。しかし、この期間は景気対策が集中的に行われた時期でまさに粉飾された数字だ。この期間だけの数字でよい訳がない。もっと長期に安定的に目標を超えないととても無理だ。しかも消費増税後は必ず成長率が激減するのだから、激減してもその目標程度に収まるような状況に持って行った後でないと折角の景気を腰折れさせてしまう。2013年の成長率は、景気対策と駆け込み需要と円安・株高に支えられた数字だ。これらは4月以降全部はげ落ちる。衰退を続ける日本経済を救うには大規模経済対策しかない。それが財政再建への最短距離だ。