女性神主が語る國體論「出雲族の正体とは~縄文人と弥生人の真相~」山下弘枝 AJER2025.11.13(1)

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「女性神主が語る國體論」


第38回

『建武中興と楠木正成の真実』

出雲族の正体とは~縄文人と弥生人の真相~

山下 弘枝氏

前半

・レジュメ
秋も深まり、出雲地方が「神在月(かみありづき)」を迎える時期が近づいている。全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲へ集うとされるこの季節、古代日本の神々の歴史と國體(こくたい)の理念を重ねて考えると、興味深い発見がある。
本稿では、女性神主の視点から「出雲族とは何者だったのか」「國體における出雲の役割」「神迎神事に隠された神話的意味」を、神道学と民族学の両面から探っていく。
出雲族と大和族 ― 縄文と弥生の融合
出雲族は、島根県出雲地方を中心に栄えた古代氏族で、『古事記』『日本書紀』ではスサノオノミコトの子孫とされる。対して、大和族は奈良を中心に天照大御神の系譜を継ぐ天津神の一族であり、後の大和朝廷へとつながっていく。
神道学的に見ると、出雲族は「国津神(くにつかみ)」、すなわち地上の自然や土地を司る神々の系譜に属する。一方、大和族は「天津神(あまつかみ)」と呼ばれ、天界の秩序と権威を象徴する存在である。この両者の関係は、古代日本の信仰体系の二重構造を示すものといえる。
民族学的視点からは、出雲族は縄文的要素と弥生的要素の融合した集団であったと考えられる。出雲地方には縄文後期の祭祀遺跡が数多く残り、西谷墳墓群などはその代表例である。そこには、自然崇拝を基調とする縄文信仰の痕跡が見える。
弥生時代に入り、稲作や金属技術が大陸から伝わると、出雲族はそれを取り入れながらも、独自の神事文化を形成していった。スサノオ神話に見られる「荒魂(あらみたま)」的な性格は、自然との共生を重んじる縄文精神と、弥生的な秩序形成の融合によって生まれたものだろう。
大和族が中央集権的な国家体制を志向したのに対し、出雲族は地域社会の自然と神々の調和を守ることを重んじた。ここにこそ、國體論で語られる「調和の精神」の原型がある。つまり、日本は出雲の「自然崇敬」と大和の「統治理念」が融合することで形づくられた国であるという観点である。

国譲りと神迎神事 ― 調和の神話と稲佐浜の海蛇
「国譲り」は、日本神話の中でも特に重要な場面である。出雲族の長である大国主大神(オオクニヌシ)は、天照大御神の孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に国の支配権を譲ったとされる。この神話は単なる政治的服属を意味するものではなく、「天津神(天)と国津神(地)の調和」という思想を象徴している。オオクニヌシは、地上世界(葦原中国)の統治を天津神に委ねた後、自身は「幽冥(かくりよ)」の世界、すなわち神々の領域を司る存在となった。これこそが日本的な「対立よりも和を尊ぶ」精神の源流であり、國體論が掲げる「共生の原理」とも一致する。
この神話が現実の神事として受け継がれているのが、出雲大社の「神迎神事(かみむかえしんじ)」である。旧暦10月10日頃、全国の神々が稲佐浜に降臨し、出雲へと迎えられる。このとき、稲佐浜に「海蛇(うみへび)」が現れる。海蛇は龍蛇神(りゅうじゃしん)とも呼ばれ、スサノオやオオクニヌシの荒魂と結びつく存在。海と陸を繋ぐ神聖な使者として、神々の来臨を告げるとされている。地元の古老の中には、実際に神迎行事の夜に波間に不思議な影を見たという証言もあるという。
稲佐浜の光景は、天と地、神と人の境界が曖昧になる象徴的な場所である。そこに現れる龍蛇神は、國體が掲げる「調和と循環」の象徴といえるだろう。

荒神谷遺跡と青銅の祈り ― 出雲の精神文化
出雲族の精神と技術が最も明確に現れているのが、島根県の荒神谷遺跡である。1984年、ここからは358本もの銅剣と16本の銅矛が発見された。これほど大量の青銅器が一箇所から出土した例は日本に他になく、古代出雲が高度な祭祀文化を有していたことを物語る。
考古学的には、荒神谷遺跡は神聖な祭祀場であり、これらの青銅器は神々に奉納された神器だったと考えられる。銅剣には刻印や封印の痕跡があり、神を鎮める儀式的な意味があったとも推測される。
神道学的に見れば、これは「神々の力の継承」を意味し、出雲族が大和へと神権を譲る象徴的行為だった可能性もある。
また、弥生時代後期になると、青銅器に代わり鉄器が登場する。出雲は朝鮮半島との交易を通じて鉄素材を入手し、独自の鉄製技術を発展させた。加茂岩倉遺跡などからも多くの青銅器が出土しており、出雲が日本海交易の要衝であったことがうかがえる。
ここにも、出雲が「縄文の精神」と「弥生の技術」を結びつけた中継点として機能した姿が見える。

たたら製鉄と金屋子神 ― 鉄を生み出す母神
出雲文化の根幹をなすもう一つの要素が「たたら製鉄」である。砂鉄から鉄を精錬するこの技術は、出雲から全国へ広がり、日本刀や農具などを通じて国の発展を支えた。
この鉄の文化を象徴する神が、女性神「金屋子神(かなやごのかみ)」である。伝承によれば、金屋子神は白鷺に乗って降臨し、桂の木に止まった姿で人々に発見されたという。彼女は製鉄の守護神であると同時に、母性と再生を象徴する存在でもある。
出雲族の製鉄技術が大和へと広がり、日本の国家基盤を築いた背景には、この金屋子神の信仰が深く根付いていた。

結び ― 國體の根に息づく「調和の精神」
本稿で見てきたように、出雲族は縄文的自然崇拝を継承しながら、弥生的技術と大和の統治理念を融合させた存在である。その精神は「対立ではなく調和」「奪うのではなく譲る」という日本的國體の根幹に通じる。
神迎神事を前に、稲佐浜に打ち寄せる波の音を聞くと、古代から続く神々の対話が今もこの地に息づいているように感じられる。
國體とは、国家の形そのものではなく、神々と人間、自然と文化が一体となって調和する「心のかたち」なのかもしれない。

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